御殿場市商工会では、開業、記帳、税務などの相談をうけることができます。
お問合せいただく前に、「Ⅰ」と「Ⅱ」をご一読の上、ご相談いただくとスムーズです。
Ⅰ.記帳継続指導事業のご案内
事業を始めた方や、青色申告を選択したが帳簿の付け方がよく解らないという事業者に対して、日々の記帳方法、帳票類の管理の仕方等を御殿場市商工会の職員が継続して指導します。そして、青色申告を行うことができる環境をつくることで自社の財務内容の把握ができ、青色申告特別控除を受けることで税金対策が行えるなどのメリットがあります。
1.申込条件
御殿場市商工会の会員であって、個人事業主の方(所得300万円以下)
2.手数料基準(平成30年度現在)
- 手書きの場合
初年度10,000円(消費税別)
次年度以降、習熟度、指導内容に応じて手数料は変動 - パソコン会計の場合
年4回まで20,000円(消費税別)
4回を超えた場合1回につき5,000円(消費税別)
3.指導内容
- 日々の記帳の仕方
- 源泉税徴収事務や納付、年末調整事務の仕方
- 決算・確定申告の仕方
Ⅱ.個人事業の青色申告をはじめるにあたっての基礎知識
- 個人事業主の開業手続きについてはこちらへ
- 個人事業主の青色申告のメリットについてはこちらへ
- 個人事業主の青色申告の記帳方法と書類等の保存期間についてはこちらへ
- 個人事業主の税務について知りたい方はこちらへ
1.個人事業主の開業続きについて
開業準備(免許や許認可、開業場所や資金等の準備)が終わったら、税務署に次の書類を提出することにより個人事業主として開業することができます。
(1)自分一人で開業する場合
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
(2)従業員を使用する場合(同居の家族除く)
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 所得税の納期の特例の承認に関する申請書
(3)同居の家族を従業員として使用する場合
- 開業届
- 青色の承認申請書
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
- 所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 青色事業専従者給与に関する届出書
注意事項
- 人を使用する場合は労働保険の適用が必要になります。
2.青色申告のメリットについて
青色申告を行うことで自社の財務内容の把握ができ、また、青色申告特別控除を受けることができるので税金対策になるなどメリットがたくさんあります。ぜひ記帳指導を利用して青色申告に挑戦してみてはいかがでしょうか。
青色申告をする事業主(青色申告者)には税制上の各種メリットがあります。主なものは以下の通りです。
青色申告制度のメリット
項目 | 青色申告 | 白色申告 |
青色申告特別控除 | 複式簿記で記帳した場合に、決算金額から65万円を差し引くことができる(複式簿記でない場合は10万円の控除が適用される) | 適用なし。 |
専従者給与 | 税務署に届出することにより、支給額の全額を必要経費にすることができる。 | 専従者1人最高50万円(配偶者86万円)を限度として控除できる。 |
損失の繰越控除 | 損失を翌年以後3年間の黒字の所得から繰越控除できる。 | 変動所得または被災事業用資産の損失に限って繰越控除できる。 |
純損失の繰戻還付 | 損失がでた場合、前年分の税金から繰戻還付が受けられる。 | 適用なし。 |
貸倒引当金 | 個別評価方式のほか、一括評価による売掛金等の貸倒れによる損失の見込額を必要経費にすることができる。 | 個別評価方式のみ適用できる。 |
3.記帳方法と書類等の保存期間について
(1)記帳方法
青色申告者は、原則として正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳しますが、簡易帳簿で記帳することもできます。複式簿記で記帳すれば青色申告特別控除65万円の適用を受けることができます。記帳は、日々のお金の動きを帳簿に残すことです。記帳は税務申告の為だけではなく、日々の経営に役立てるための重要な資料になりますので、適正な記帳ができるようになりましょう。
複式簿記と簡易簿記にはそれぞれ次のような違いがあります。
【記帳方法】
複式簿記 | 簡易簿記 |
現金の出入りだけでなく、資産や負債の動きも同時に記録(記帳)することができるために、損益計算書(1年間の経営成績)と貸借対照表(財政状態)を作成することができます。 | 家計簿やこづかい帳と同じ形式で、現金取引を中心に売上げ、仕入れ、経費の動きを記録(記帳)します。複式簿記のように貸借対照表を作成することはできません。 |
【記帳方法】
区分 | 備付帳簿 |
複式簿記 | 仕訳帳、総勘定元帳 など |
簡易帳簿 | 現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳 など |
(2)書類等の保存期間
以下の書類等を一定の期間、保存する義務があります。同じ年分の書類を一つのファイルにして、廃棄年数を記載しておくと便利です。
区分 | 保存が必要なもの | 保存期間 |
帳簿 | 記帳方法に応じた備付帳簿 | 7年 |
決算関係書類 | 青色申告決算書、棚卸表など | 7年 |
現金預金関係書類 | 領収書、預貯金通帳、小切手帳、借用書など | 7年 |
その他の書類 | 納品書、請求書、見積書、注文書、契約書、領収書控えなど | 5年 |
4.税務
個人事業主は日々の事業取引を記帳し、年間の収支を基にした確定申告を行うと共に、従業員を雇い入れている場合には源泉税の納付と年末調整を行わなければならない場合があります。
(1)個人の確定申告とは
その年の1月1日から12月31日までを課税期間のすべての収入から、医療費や家屋の新築・増改築・売買、盗難や火災、寄付、扶養家族などの各種控除を差し引いて計算した所得に基づいて計算し、申告書を税務署へ提出し所得税額を確定する手続きです。
個人事業主の場合、収入と支出を所得税青色申告決算書にまとめるところからになります。決算書ができないうちは、確定申告もできません。そのためにも日々の正確な記帳が必要になります。
(2)源泉税納付と年末調整とは
給料をもらっている従業員の場合、会社が所得税・住民税等を源泉徴収して支払っています。所得税については税額を税額表で事業主が計算し毎月の給料から差し引きます。
原則、源泉税の納付は毎翌月10日になります。
源泉所得税の納期の特例の申請を出している方は、1月~6月分の7月10日に、7月12月分を1月20日にまとめて納付することができるようになります。
ただし、従業員数10名以上(常時雇用するアルバイトも含む。)になる場合は適用されなくなります。
年末調整は各種の所得控除があったりする為、最後にその過不足を精算する手続です。